自分の演奏を聴くことの重要性


皆さんは普段、どのくらいの頻度で自分の演奏を録音・録画をして聴いていますか?

発表会やコンクールなどの本番の時は、録画して後で見直す?

先生のレッスンを受けるときに、自宅練習用に録音する?

もちろん、このような時の録音もとても大事ですが、これらと同じくらい大事なのが

 

“自宅で練習している時に録音・録画をして確認する”ことです!

 

ここでの録音・録画の話は、演奏を良くしていくための練習方法の一つとして取り上げているので、発表会などに記念に録画しておこう!というのとは別の話なので悪しからず・・・

∞ 自分で弾きながら自分の音を聴くのはとても難しいこと ∞

 

さて、当たり前ですがピアノが上手くなりたい子たちは、お家で日々一生懸命練習していると思います。

 

レッスンで先生に言われてことを直し、レッスンの録音や録画をしている子はそれを見直しながら練習しくれることも多いと思います。これだけでもかなり上達しているはずです!次のレッスンの時には、先生から「良くなったね!」と言われるかも!

 

でも逆に、こんな経験をしてことがみんな一度はあるはず。

「一生懸命練習したのに、先週とあまり変わってないと言われた…」

「先週と同じところを注意された…」

「先生のお手本を聴くと、やっぱり私の演奏は出来てないな…」せっかく練習していったのに「あれ?」みたいな。私ももちろんありました。

先生から新しいことを注意されるのは次に進んだ感じがするけど、同じこと言われると自分でもがっくりですよね(-_-;)

 

では、なぜこんなことが起きるのか。

答えは簡単です。

 

人間の感覚というのはとても曖昧で、誤差が起きるものなのです。

そして、自分で弾きながら自分の音を聴く、というのは慣れるまでとても難しいことなのです。

例えば本番の時、自分ではいつも通り弾いたつもりなのに、お母さんが録画してくれた動画を見たら、いつもより凄く速いテンポで弾いていた、とか、いつもあんなに抑揚をつけて歌っていた箇所がやたら淡白な演奏になっていた、なんてことありますよね。これも誤差の一部です。

もちろん今の話は本番の時の話なので、緊張から生まれる誤差です。それでも弾きながら気づくときはいいのですが、やったつもりのなのに…というような誤差は本番の時でもあまり起きてほしくはないですよね。

∞ 自分の演奏を客観的に聴くための録音・録画 ∞

 

レッスンで先生から、「そこはもっとフォルテとピアノの差をつけて弾いてね!」と言われたとします。

お家で練習して、よし!かなりフォルテとピアノちゃんと出来たぞ!と思ってレッスンに持っていったら、先生から「うーん、それだとまだ違いがわからないなぁ。」と。そう、演奏する時に大事なことは、

 

「人に伝わっているかどうか」なのです。

 

本人が「〇〇やったつもりなのに」と思っても、それが聴いている人が分からなければ、“つもり”で終わってしまうのです。

なので、私はよくレッスンで、「10人お客さんがいたとして、10人全員がわかってくれるように弾かなきゃダメよ!」と言います。

 

ここで重要なのは、みんな言われていることはわかっているし、先生のお手本を聴いてこんな演奏を目指せばいいんだ、とわかっています。あとはこれを やったつもり で終わらせないために、

 

お家での練習の時に自分で自分の演奏を録音し、出来ているかチェックするのです。

 

つまり、自分の演奏を客観的に聴くために録音・録画をしましょう!

本番までまだ時間がある時は、通しの練習よりも部分練習が多いはず。その部分練習の時も、気になる箇所はちゃんと録音をしてどんな演奏になっているか確かめましょう。そして本番が近づいてきたら通しの演奏を録音してみましょう。慣れないうちは、録音しているというだけで緊張感も増してくるものです。

 

曲全体の流れ、苦手な部分は通した時どんな感じになっているか、テンポ感、音一粒一粒の際立ち方、聴く側の立場だとどんな印象を受けるか・・・色々なことが分かってくると思います。そして、もっとこうしたい!という箇所が出てくると思います。そうやって演奏はどんどん練られ、良くなっていきます。

【録音・録画をする際の注意点】

高性能なレコーダー、マイクを使いましょう!

残念ながら、安い音楽用ではないレコーダーなどでは、やはり録音状態が良くありません。スマートフォンも同じです。マイクを付けない状態での録画・録音は音がフラットになったり、大きな音で割れてしまったりします。一度購入すれば長く使えるものですし、練習・本番・レッスンなどあらゆる場面で使えるので、ここはケチらず良いものを用意しましょう!

 

店員さんで詳しそうな方と捕まえて、「クラシック音楽に最適なのはどれですか?」と尋ねましょう♪

ピアノ上達の心得コラム